Ultrasonic Sciences Limited (USL)
モーションに取り組むSTOBER

Ultrasonic Sciences Limited:
空高く舞い上がる新興企業

英国の企業Ultrasonic Sciences Limited社 (USL) は、航空業界の顧客向けに複合材料部品の透過光検査とパルスエコー検査を同時に行うための機械を製造しました。このような自動化システムでは、駆動技術に対する特別な要求事項があるため、 USL社は英国STOBERに信頼を寄せ、実装を任せています。ドライブスペシャリストであるStoberは同期サーボモータ、ドライブコントローラ、サーボモータ用減速機、ワンケーブルソリューションをワンストップで納入し、協力的なパートナーシップで納得のいく成果を上げています。

ドイツ・プフォルツハイム、2025年xx年xx日 – 英国オールダーショットに拠点を構えるUltrasonic Sciences Limited社 (USL) は、非破壊検査 (NDT) 用にカスタマイズされた自動化システムの開発・製造を専門としており、現在25名の従業員を擁しています。同社のポートフォリオにはPCベースの測定機器も含まれています。USL社は航空宇宙、自動車・エネルギー産業、鉄道セクター、原材料生産など、幅広い産業分野を対象に超音波ベースのNDTシステムを約40年にわたって世界中で供給し、これらの産業に対応したサービスを提供してきました。特注の検査ソリューションは、高精度の品質管理や材料組成の分析に重点を置く顧客向けに開発されています。

このことは、航空宇宙産業における複合材料コンポーネントや構造物のメーカーにますます影響を与えるようになっています。この産業界では同材料の割合が常に増加しています。その目的は重量とコストを削減することで、効率性をさらに高めることです。生産方式の絶え間ない最適化によって複合材料部品は大型になり、より複雑になっています。ここで重要なのは、完成部品に欠陥があってはならないため、より包括的で高性能な検査システムが必要になることです。

ニコ・バイエル氏はUSL社の技術セールスマネージャーです。新型コロナウイルス感染症パンデミックの際に、バイエル氏はUSL社の業務手法を理解している適切なサプライヤーを見つけるという課題に直面しました。サプライヤーは、USL社と協力して、顧客の要件に合わせて機械をカスタマイズする能力が求められます。その過程でバイエル氏は英国STOBERのことを知り、 英国STOBERの支社長マーティン・プリースに連絡を取りました。STOBERで二人が話し合った時に、バイエル氏はそのリードタイムが競合他社よりも大幅に短いことに気づきました。それは、重要な注文を遂行する上でUSL社に必要なサポートそのものでした。

大量生産ではなくカスタマイズ仕様

ニコ・バイエル氏と彼の同僚は、12軸ダブルタワーシステムと11軸ガントリーシステムの設計・製造・設置を委託されました。これらのシステムは、航空宇宙産業の長年の顧客のために複合材料製コンポーネントを検査することを目的としています。バイエル氏は「特注の機械はアプリケーションの要求事項、柔軟性、拡張性に合わせて調整されています。こういった機械は精密かつ高性能であり、特別な機能が装備されています。そのため、大量生産されたシステムよりも好まれるのです」と説明しています。

「当社のすべての自動化検査システムでは、モータなどの動作関連コンポーネントに関して、精度、分解能、速度制御、トルク、耐荷重、通信インターフェース、安全機能、そして耐久性を重要視しています」とバイエル氏は語ります。自動化された超音波検査システムの機械系は、長時間の使用、繰り返し動作、定期的な方向転換にさらされることが多いものです。また、たいていの場合は湿度の高い環境に設置されます。バイエル氏はさらに、「当社の要求事項についてプリースさんと話し合った後、STOBERが我々の機械製造に必要なものをすべて提供してくれるだろう、と強く確信しました」と説明します。

複雑な大型部品の検査

これらの特殊な要求事項のために、複合材料部品の透過光検査とパルスエコー検査を同時に行える両面機が必要になりました。大きな走査領域と一連の特殊なエンドエフェクタにより、複雑な形状の巨大コンポーネントを総合的に検査することができます。これらのコンポーネントには翼前縁部、フラップフェアリング、厚い複合部品なども含まれます。機械的精度と超音波検査に関するエンドユーザーの厳しい要求事項は、これですべて満たされます。

考え抜かれたドライブソリューション

マーティン・プリースは次のように説明します。「厳しいプロジェクト要件を満たすために、STOBERの様々なコンポーネントについて議論を交わしました。ニコ・バイエル氏およびUSLチームと何度も話し合った結果、必要なコンポーネントを特定することができました」。提供された駆動システムには、ドライブコントローラや円筒ピン歯車などもシームレスに統合できました。このソリューションには、EZシリーズの様々な同期サーボモータサイズの直線軸と回転軸も含まれています。これらは非常にコンパクトであり、高いダイナミクスと相まって最大トルクを実現します。さらに、SC6シリーズの最新世代のドライブコントローラ、剛性と精度を考慮して選定された様々なサーボモータ用減速機、そしてワンケーブルソリューション (OCS) もあります。このワンケーブルソリューションは、最大100メートルまでの長さで、モータとドライブコントローラを確実に接続することができます。

「私たちはUSL社と協力して、円筒ピンドライブ、ボールねじ軸ドライブ、ダイレクトドライブといったドライブの種類や特定の要求事項に応じて性能が最適化されるよう、モータとコントローラのサイズ決定と選定を行いました」とプリースは説明します。ニコ・バイエル氏と彼のチームは、同じ機械の異なる軸に対してこれらドライブの組み合わせをしばしば採用し、望ましい精度と信頼性を実現しています。

STOBERと力を合わせて

バイエル氏は「長年にわたって、当社は様々なサプライヤーの数多くの各種モータとドライブコントローラを採用してきました」と語ります。「STOBERさんのおかげで、当社機械を製造するのに必要な選択肢、精度、品質、信頼性を得ることができました」。この協力関係では、大きな利点がもう一つあります。「我が社の経験によれば、STOBERさんは競合他社と比べて常にリードタイムが短く、納期厳守も徹底しています」とバイエル氏は説明し、次のように付け加えています。「摩擦に関して、これまでフィードフォワード制御に100パーセント以上の値を実装できるモータを使用していました」。摩擦の影響を予測し、それを緩和することで、この機能を備えたシステムはよりスムーズで正確な動きを実現できます。「この件について話し合った際に、STOBERさんはSC6ドライブコントローラで当社の要求事項を具現化する準備をすぐ整えてくれました。このおかげで、最大200パーセントのフィードフォワード制御値が可能になるため、 機械軸を精緻に位置決めすることができます」とバイエル氏は語ります。

さらに、STOBERはモータアダプタなしの一体型同期サーボギヤードモータも納入しています。このモータはコンパクトなデザイン、軽量さ、高い駆動効率により、設置を容易にします。「STOBERチームは機械の仕様決定においても積極的に支援してくれ、回転数、トルク、負荷の計算でもサポートを提供してくれます。ケーブル長が個々に異なるため、より大型の機械を設計する上で余裕が生まれます」とバイエル氏は説明します。

試運転に成功

両機械はボーイング社製航空機の構造およびコンポーネントの検査設備に設置され、試運転が行われました。これらの機械は、機械的な精度に関してすべての要求事項を上回る結果を示しました。バイエル氏は「STOBERのソリューションと当社機械の中核コンポーネントとしてのパフォーマンスには、大変満足しています」と締めくくっています。

Ultrasonic Sciences Limited社 (USL) は、特に航空業界の顧客向けに複合材料部品の透過光検査とパルスエコー検査を同時に行える機械を製造しています。
Ultrasonic Sciences Limited社 (USL) は、特に航空業界の顧客向けに複合材料部品の透過光検査とパルスエコー検査を同時に行える機械を製造しています。
大きな走査領域と特殊なエンドエフェクタのおかげで、複雑な形状の巨大コンポーネントも総合的に検査することができます。
大きな走査領域と特殊なエンドエフェクタのおかげで、複雑な形状の巨大コンポーネントも総合的に検査することができます。

USL社はシステムの性能と信頼性を向上させつつ、設計・製造工程を最適化することができました。全体として、業界に関するUSL社の幅広い専門知識とSTOBERコンポーネントのシナジー効果が功を奏し、最先端技術を駆使した実装が成功しました。これは、絶え間なく進化する航空宇宙産業の要求事項を満たしています。

ニコ・バイエル氏は、STOBERのマーティン・プリース支社長との協力的なパートナーシップに感銘を受けています。プリース支社長は、USL社が機械の製造・納入プロセス全体を通して必要な指導やサポートを受けられるよう手配しました。USL社は、システムソリューションを自動化された超音波検査システムにシームレスに統合することができました

機械軸を精緻に位置決めするために、StoberのSC6ドライブコントローラが採用されています。このドライブコントローラにより、最大200パーセントのフィードフォワード制御値が可能になります。
機械軸を精緻に位置決めするために、StoberのSC6ドライブコントローラが採用されています。このドライブコントローラにより、最大200パーセントのフィードフォワード制御値が可能になります。
STOBER UK支店長 マーティン・プリース氏

「STOBERさんのおかげで、当社機械を製造するのに必要な選択肢、精度、品質、信頼性を得ることができました」

– STOBER UK支店長 マーティン・プリース氏

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